松定は一つのチーム。
だからこそ、
革新を生み出せる。
各部署、各ポジションが協力して一つの仕事を進めていきます。

PBR series

商品開発ストーリー(新商品)PBRシリーズ

 回生電源は一般的な直流電源とは異なり、電力を出力するだけでなく吸い込むことができる。この特徴によりバッテリーを模擬することができる。つまりこの電源があればお客様はイチイチ大容量バッテリーの充電作業が必要なくなり、バッテリーにつながる機器の開発期間を一気に短縮することができる。

  • 新商品企画の役割

     将来のニーズを先読みし商品を企画する。それが商品企画担当者の役割だ。回生電源(PBRシリーズ)は急に市場ニーズが高まり始めたため、スピーディな開発が要求された。何人くらいの人財でどれくらいの期間で開発をすべきなのか、社内調整を進めながら開発メンバーを構成していく。また、開発が遅れないよう機能の取捨選択をすることでターゲット顧客を絞り込む。高いマネジメント能力を求められるのが商品企画担当だ。PBRに搭載できる全ての機能を洗い出し、ターゲット顧客に対して本当に必要かどうか徹底的に議論した。議論の末にバッテリーをよりリアルに模擬できる、業界初の機能を加えることとなった。その機能は競争優位となっていった。

  • 開発設計エンジニアの役割

     世の中にない商品をこれまで培った技術や経験で開発していくのが、開発設計エンジニアの仕事である。企画担当者から、開発すべき製品のコンセプトが発表されてから開発がスタートとなる。開発リーダーに抜擢された山川は、PBRの基本構想をマル2週間練り倒した。その後山川は開発チームを、一次側アナログ回路設計チーム、二次側アナログ回路設計チーム、デジタル回路設計チーム、及び組込みソフト設計チームに分け、それぞれにタスクを割り振った。PBRのような部品点数の多い大型の製品は製品内部の構造別にチームを振り分ける。チーム別に完成させて開発は終わりではない。完成次第それぞれの適合性を確認する。合わせてみては修正しての繰り返し。10回以上の細かい修正を繰り返し、完成までこぎつけた。品質の高い製品はこうした修正が多ければ多いほど完成度が高まってくるのである。

  • 生産エンジニアの役割

     お客様からの発注から出荷までの生産フローを構築する。それが生産エンジニアの役割だ。PBRシリーズの受注から出荷までの生産フローの構築は苦労の連続であった。なぜなら従来製品を生産するためのシンプルな生産フローに、部品点数の多いPBRの製造フローは上手く適合しなかった。従来製品に必要な生産設備とPBRに必要な生産設備が異なるため、新たな生産ラインを設営しなければならない。また、それだけでなく需要予測をたて、部品ストック数を設定する。需要予測を見誤れば、部品が欠品し、納期が遅れてしまう。ほかにも重要な仕事はたくさんある。例えば、工場作業者が間違えないような組立手順書作成も重要な仕事なのだ。
     最終的にPBRのための新しい生産ラインを構築し、これらの課題をすべてクリアした。こうしてPBRは松定の強みである短納期を実現させた。

  • 営業の役割

     松定の営業の仕事は売上(=お客様数×製品単価)を増やすことである。お客様の数を増やすためには、どのお客様なら電源を使用していただけるのかを理解することが重要である。そこでPBRのリリース前に、直接顧客に訪問し、必要かどうかをヒアリングしていった。
     松定は直販であるため、たくさんのお客様からニーズ情報を頂くことができ、結果としてPBRを必要とするお客様が浮かび上がってきた。こういうお客様なら使ってもらえる、それならこんな企業はどうだろう?営業パーソンたちが作成したアプローチすべき顧客リストは300社超え、リリースと同時に営業パーソン全員が1社ずつ提案をしていった。こうして一気に市場全体を網羅的に攻略していき、松定プレシジョン社のPBRシリーズは回生電源のパイオニアとしての地位を確立した。今では誰もが知るグローバル企業から大量受注を獲得できるまでになった。

売込み先を知っているという
直販の強み、
そして自社開発で培ってきた技術力が
示された新商品だった。
国際基準への挑戦。

precision μB3200 series

X線非破壊検査装置

 このシリーズは卓上装置のラインナップの中で世界中に販売していくための国際基準を満たした卓上X線装置である。機能を増やすほど大きくなるX線装置。そんなトレードオフを解消し、小型でかつ高い透過力を持っている。

  • 松定プレシジョンのエンジニア

     松定プレシジョンのエンジニアの使命は高付加価値商品(競合他社が真似できないような技術やノウハウを駆使したニーズの高い商品)を開発することである。商品の付加価値が高いほど、お客様の仕事の付加価値も上がる。それが他社に作れないものであれば、競合他社と価格勝負をする必要がなくなり、大きな利益も生み出すことができる。そんな開発に集中できる環境が松定にはある。挑戦を後押しする環境があることで、革新的な製品を世に多く生み出すことができる。

  • 始めて国際基準に挑戦

     世の中に卓上のX線装置で国際基準を満たしている商品は存在しなかった。どんなお客様でも使える大型の装置が一般的だったため、大型の装置でしか基準を満たしていなかったのだ。しかし全てのお客様が大型の装置を望んでいる訳ではなかった。大型の装置は高額でハイスペックすぎるということもあり、教育を受けたハイレベルなオペレーターにしか操作できないからだ。そんな声が多く広がっている中、電気系エンジニアの阪東と機械系エンジニアの城之内は国際基準を満たすX線装置に乗り出した。

  • 教科書はない

     阪東は今年で入社7年目の若手エンジニアだが、この一大プロジェクトの電気設計担当として抜擢された。松定では若手社員が大きな仕事を任せてもらえることは決して珍しいことではない。
    以前阪東は国際基準に関する本を読んだことがあり、基準を満たすためには電気的ノイズ対策や安全保護回路を導入する必要があるということは知っていた。しかし具体的にどんな設備が必要で、どのような電気的試験のレポートを作成する必要があるかは見当がつかなかった。そこで阪東は社内の少しでも国際基準の知見を持った社員を見つけては質問攻めにした。得られたヒントをもとに自らも仮説を立て、基準となる数値を実現できるよう実験を繰り返す。結果が芳しくない時には役職関係なくアドバイスを仰いだ。一朝一夕にはいかなかったが数多くの失敗を乗り越え、世界で初めて卓上X線装置の国際基準取得に必要な試験を見事クリアしたのだった。

  • 引き算をするという選択

     X線装置は機能を増やすほど、装置内の検査スペースは小さくなってしまう。大きいサンプルを検査したいお客様にとってはデメリットだ。そこで機械系エンジニアである城之内は、これまで電動だったサンプルステージを手動のハンドルに切り替えることを提案した。電動であることのメリットはステージ位置を記憶させられる点にある。つまり同じ位置に戻しやすい操作性の高いハンドルを作ることが、ハンドルのコンセプトとなった。
    実はこれまでに松定プレシジョンはハンドルを試作してきたことが何度かあった。しかしハンドルを動かすとガタガタと音が鳴る。ステージ位置の再現性も低かった。何度もミーティングを重ね、新たなハンドルの案は10を超えた。全ての案を試作してみては?開発リーダーの一言で全ての部品を買い揃えた。実際に作ってみることで新たなアイデアも生まれ、見事ハンドルの再現性向上に成功したのだ。このハンドルを採用し、従来よりも5倍以上のサンプルサイズを検査できる卓上のX線装置が完成した。

良い商品を開発するには実際に
作る必要がある。そのための投資は
惜しまない。
意見交換はどんな人とも
繰り返す。
こうした挑戦を後押しする
開発環境があって、付加価値の高い
製品は完成する。
分析力×行動力

PRT series

ハイパワー直流ターボ電源PRTシリーズ

 PRTシリーズは従来の直流電源と比較して、広範囲にわたって電圧・電流を出力できる電源である。モーター等の広範囲な出力を必要とする実験に適している。

  • 松定プレシジョンの営業

     松定プレシジョンの営業パーソンが最も評価されるのは、発動受注である。(発動受注とは、営業パーソンのアクション起因で獲得できた受注の事を指す。)なぜなら営業パーソンが何もアクションを起こさなければ、その受注は生まれないからだ。分析力、仮説思考力だけでなく行動力も必要とされる発動受注。営業パーソンとしての総合的なスキルが求められる。営業パーソンの発動によって顧客数を増やすことがもっとも重要であるということを、松定プレシジョンの営業パーソンは心得ている。
    自動車関連企業を多く持つエリアを担当している田崎は入社一年目にして大型の発動案件をまとめた。

  • がむしゃらにアクションをするが実らず..

     入社半年でエリアを持った田崎は発動受注を獲得するためにがむしゃらに提案を続けていた。元々体育会系出身の田崎は、数を繰り返すことに疑問を抱かなかったが、どれだけお客様に提案しても受注に繋がらない。まだ一年目だから焦る必要はないと言われつつも早く実績を残したい。そんな気持ちが空回りしている中、他の社員が次々と発動案件をまとめていったのが悔しかった。
    するとそこへ直属の先輩社員が何気ないアドバイスをくれた。

  • 考えるという事

     がむしゃらに提案を重ねるのも間違いではないが、何がどこに売れるかを深く考えてみたらどうだろう?まずはこの会社にPRTシリーズを提案してみては?そういって大容量の電気を使用する電動モーターを開発している企業のリストを差し出した。電動モーターを開発する際に必要となる電源のスペックはPRTシリーズにマッチしているのだ。リストのお客様が興味を持ってくれる可能性が高い理由を理解し、提案を重ねた。するとまさかの出来事が。タイミングよく田崎が提案したお客様が新たな開発テーマを持っており、PRTシリーズのような電源を探しているというのだ。しかも何十台も必要とする大型案件だった。先輩社員と相談しながら商談を進めていくうちに、とんとん拍子で話がまとまった。この受注は一年目社員の受注金額記録を塗り替えた。

  • さらなる成長へ

     田崎にこんな質問を投げてみた。
    ――なぜ一年目にしてこのような大型の発動案件をまとめることができたのですか?田崎さんの素直さが起因しているのでは?――

    その通りだと思います(笑)。でもそれだけではないんです。僕はどこのお客様をターゲットにするべきかが分からなかった。そんな中、先輩社員が『このお客様に提案するといい』、とか『今の電話内容のここが良かった』など惜しみなくアドバイスをくれるんです。その期待に応えたいという気持ちが、この大型案件をまとめられた結果に繋がったのだと思っています。今後はそういったお客様を自分から探し出せるよう、より一層お客様の仕事内容について勉強していこうと思っています。僕の力で満足していただけるお客様をどんどん増やしていきたいです。

売上=顧客数×価格。
満足いただけるお客様を増やし
続ける事で
売上を増やしていく。
シンプルだがこの公式に
営業の全てが集約されている。